将来体系設計プロセス−将来体系作業の留意点 :  : EA Enterprise Architecture : 「ズバリ!経営戦略立案」 IT化経営戦略 事業戦略のバイブル



前回までで「見直し方針」を作成しました。見直し方針ではあるべき業務・システム
のための方針と目標を決めましたので、その方針に沿って「将来政策・業務体系
(BA)」、「将来データ体系(DA)」、「将来適用業務体系(AA)」、「将来技術体系
(TA)」をまとめることになります。
作業内容は現行体系のプロセスでまとめた体系図を見直し方針に沿って置き換える
ことになりますので使用する手法や体系図作成作業は同じになります。
ここでは現行体系プロセスと異なる将来体系作業における留意点とEEM2(Event 
Entity Matrix 2)について述べておきます。
留意点としては、
(1)見直し方針を生かした全体イメージを作成します。
  皆さん方もお客向けに提案書を作成するときに、提案するシステムの全体イメージ図
を描かれると思います。そうすることで、提案システムの改革イメージを統合化
できます。同様なイメージ図を将来体系にも作成することで4つの将来体系の作成が
統一できます。18府省を束ねる共通業務を例に取りますと、盛り込む内容は「国民の
窓口になるポータルサイトの主要機能とポータルサイト以外の機能」、「抽象化
(または共通化)されたIT化対象プロセス」、「主要なデータベース」、「各府省と
のシステムインターフェース」となります。

(2)住基ネット(住民基本台帳ネットワークシステム)をシステムに組み込みます。
  国民とのインターフェースがインターネットになってきますので、申請者や依頼者が
日本国民であることをチェックするためには住基ネットを活用し、検証や証明用と
することは必須となります。
現在も本人の日本国民を確認するために登記簿謄本や抄本、住民票等の添付が必要
な場合が多くあります。この添付資料が電子化を阻害してしまいます。

(3)承認・決裁プロセスに電子認証の取り込みを行う。
  府省業務が民間業務と異なるのはいくつもの段階で承認、そして最終的な決済と
いうように押印プロセスがあることでしょう。
国家試験業務を見ても、○○小委員会が発足し原案が作成され、原局承認、審議会
で検討承認、官房決裁というように各専門家の集まり、依頼元の原局担当者、責任
者、外部公表時の官房承認というように、役割ごとに内部・外部からの検証が加え
られて法律や制度をつくり運用しています。この承認がe−Japan前は紙に
承認印または決裁印を押すことが必要でした。○○委員や審議会と言った外部機関
に対しては電子化が無理な状態が発生しますが、府省内の承認・決裁プロセスの
電子認証化を進めていくことになります。

(4)モニタリングのビジネスプロセス構造を確保します。
業務プロセス改善のために、業務が以前目標に対する情報の収集と検証のプロセス
を組み入れます。さらに、国民からサービス提供に対するパブリックオピニオン
(公開質問受付)の機能を付け加えておくことが必須要件となります。

第134回はここで終了します。
今回は「将来体系設計プロセス−将来体系作業の留意点」を取り上げました。
次回は「将来体系設計プロセス−業務プロセス設計の抽象化」をとりあげます。


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